Discover Myself 自分を見つける
#01 縫製


「ナイスコーポレーション」で働く人たちのインタビュー。
仕事への視座、ものづくりに対する想い、ライフスタイルについて語ります。

Profile

渡邊亜紀

ファクトリーマネージャー

フリーランスで衣装を作る仕事を経験。その後B Corpに認証されたアウトドアウェアとギアを製造·販売する会社をはじめ、アパレルの会社に勤務。子育てのために東京から岡山に移住。いくつかの縫製工場に勤務したのちに2023年「ナイスコーポレーション」に入社。2年目にして「ファクトリーマネージャー」を任される。


相手に寄り添ったコミュニケーションを心がけ、チームでいい仕事をする。

―「ナイスコーポーレーション」で働くことを決めた理由を教えてください。

前職は縫製工場で服を縫う仕事をしていました。その会社の方針は製品としてのクオリティに重きが置かれず、とにかく速く縫うことを求められました。私は上質なものづくりを追求したかったので、そうしたビジョンに共感できずにいました。そんなタイミングに「ナイスコーポーレーション」の会長に出会い、「会社を辞めるならうちで働きなよ」と声をかけてもらったんです。最初に取り組んだのはサンプルを縫う仕事。私は洋服を作る仕事が本当に大好きでこの仕事以外に就くことは考えられません。縫う作業自体がとても好きだし、「ナイスコーポーレーション」では丁寧なものづくりができると思いました。加えて、これまで私が衣装制作やアパレルの会社で働いていた経験値を買ってもらえたのも嬉しいことでした。

仕事の役割や具体的な業務内容は?

ファクトリーマネージャーというポジションです。主に縫う作業の指導をしていて、皆の技術が向上するように細やかな指導を日々、心がけています。ある一定の時間に対して縫うボリュームの目標を定めているのですが、その目標を達成していない人が時折いたりします。そうしたときにどうしたらもっと速く、丁寧に縫うことができるのかをしっかりと話し合います。ミシンを踏みながらみんなの仕事ぶりを確認して、現場が常にうまく回るように尽力することが私の仕事。そうしたことを意識することで実際に縫う作業が30分速く、コンパクトにできます。最終的に、個人個人が体で縫い方を覚えるような感覚まで持っていけるようにしたくて。そうした実務的なことはもちろんのこと、チームとしての連携がスムーズにいくようにスタッフひとり一人とのコミュニケーションを大切にしています。やはり、できていないことを指摘されているだけでは仕事への向上心が芽生えづらい人もいるもの。ひとり一人ときちんと向き合い、できるようになったことを伝えて、関係を丁寧に育みます。周りからは“お母さん的存在”に思われているようです(笑)。縫製の作業はチーム仕事。みんなが作業しているパーツを集めて、ひとつのものができます。つまり、誰かが抜けてしまうと、製品が仕上がりません。だから、困っている人がいたら声をかけ、チームでひとつのものを仕上げていることをわかってもらうように話します。例えば、自分の縫ったところが一目落ちていたら、次の人が縫いづらくなってしまうということなど。次の人の作業がスムーズになる、“いい仕事”を次の人に繋いでもらえるように、各自の責任感を育てていくことも意識しています。

―大切にしている仕事の流儀は?

チームで仕事をしているので、自分自身の心持ちとして、海が凪いでいるような平穏な心の状態でありたい、と思っています。そして、誰に対してもフェアな気持ちで向き合うことが信条です。「一年目だからこれができない」「10年いるから頼れる」とか、そうしたある基準のようなものを取っ払った状態で接したいと思っています。加えて、一緒に働く外国籍のスタッフの母国語を覚えてコミュニケーションをすることも大切にしています。インドネシアから来ているスタッフが多いので、インドネシア語を覚えて、重要なポイントはインドネシア語で伝えられるようにしています。例えば「右」はインドネシア語で「カナン」といいます。「カナンのここ、ポイント合わせてね」と伝えると、彼らの表情が変わる。相手に寄り添ったコミュニケーションを心がけています。

―ファクトリーマネージャーに向いている資質や必要な資質を教えてください。 

「絶対、こうじゃないといけない」ということは無く、ビジョンを描けて、それに対して行動できる力が必要だと思います。だから、必ずしもリーダーシップを取れることが大事、というわけではなくて。みんなをフォローしながら、ひとり一人に寄り添うスタイルで仕事ができる人も向いていると思います。

― 一緒に働く人にどんなことを求めていますか?

私たちの仕事は「個」での作業ではないので自分のことだけではなく、全体を俯瞰して見られる人とともに働きたいという想いがあります。このチームに対して活かせる自分の強みは何か。そういうことを問うことができる人を求めています。自分自信を高め、さらに隣の人と一緒に高め合っていけるような関係を構築できる人がいいですね。

―「ナイスコーポーレーション」としての独自性や誇りに思っていることについて教えてください。 

20人くらいの少人数のチームで働いているので、対個人に対しての対話が丁寧にできるところがいいところだと思っています。やりたいことに手を挙げたときに届きやすかったり、“発言するチャンス”が回ってきやすかったりする良点もあります。例えば「縫う練習がしたい」という希望があがったときに、100人規模の大きな工場では、その望みに対応することが難しいこともあるので。そのほかには会長の提案で、インドネシア人のスタッフが少しでも日本語を学べるように「交換日記」をしていることもユニーク。それによって結構、パーソナルなやりとりが生まることもあるんです。最近作った料理の話や旅の話とかが繰り広げられていて、交換日記がちょっとした“おしゃべりの場”になっています。

「ナイスコーポーレーション」に感じている可能性は?

自分の業務から少しはみ出した提案を受け入れてくれる度量があるところです。私は入社する前にプログラミングに関する勉強をしていて、W E Bのシステムを作ったりすることもしていました。会社としてI Tまわりのことも強化した方がベターなので、私が率先して関わっていけたら、という思いがあります。それで、入社後に有給を使いプログラミングを学ぶセミナーに参加したことも。そうしたアクションをフレキシブルに応援してくれるところに可能性を感じています。

「ナイスコーポーレーション」で働き始めて、ライフスタイルに変化が訪れたことは。 

B Corpの認証を受けている会社で働いているので、日頃から環境に配慮した暮らしを意識したいと思っています。例えば、ヨーグルトを購入するときに小さなカップのものではなく、大きいサイズのものを購入してみるとか。小さなことですが、続けることでゴミの量を減らせると思うんです。そうした暮らしを実践することで、子どもたちに「ゴミがこんなに減ったよ」と話すことができますし、なぜゴミの量が減ったらいいのかを話す機会が生まれます。実際、家族で海岸にゴミの清掃に行くと、いろんなゴミが落ちているのを目の当たりにします。そうした現実から目を背けず、ゴミを出すことや処理の仕方に関して、子どもと一緒に問題意識を持つようになりました。環境に負荷をかけない方法を自分の頭で考え、ひとつ一ついい選択をする。そうすることで自分自身も豊かになれる。いま自分たちが選択した行動がこの先の未来に繋がっています。だからこそたくさん知識を得て、そこからベストな選択ができるようにありたい、と強く思うようになりました。

文:矢島聖佳
写真:Shin Hamada