Discover Myself 自分を見つける
#03 生産管理
2025.8.08
「ナイスコーポレーション」で働く人たちのインタビュー。
仕事への視座、ものづくりに対する想い、ライフスタイルについて語ります。

Profile
井筒敏文
生産管理
「ナイスコーポレーション」の代表取締役である井筒伊久磨の弟であり、実務上での右腕でもある。飲食業に長く携わったのち2017年に入社。生産管理業務のリーダーとして、国内外のブランドの窓口を担う。プロデューサー的な立ち位置で、ものづくりの現場の調整を図っている。
樋之津 暁
生産管理
大学卒業後、東京のOEMアパレル企業に就職。生産管理の仕事を経験したのち、地元である岡山・児島に戻り、2024年に「ナイスコーポレーション」に入社。井筒敏文とともに、生産管理の仕事に取り組む。東京から地元に戻ってきたことで児島という地域ならではの魅力を見つけたいと思っている。
お客様や協業する現場の人たちとコミュニケーションを育み、誠実なものづくりをする。
―「ナイスコーポーレーション」で働くことを決めた理由を教えてください。
井筒:もともと、父の代から始めていた事業ですが、幼い頃から自分は違う道で身を立てないといけないと常々感じていました。今、僕は40歳ですが、30歳になるまでは家業に従事することは全く考えておらず、異業種の飲食業界で研鑽を積んでいました。そうしたタイミングで兄の伊久磨から「一緒に『ナイスコーポーレーション』をやらないか」と声をかけてもらって。その日のうちに働いていた会社に辞める意向を伝えました。即決できたのは、自分の根っこに「ものづくりが好き」という想いがあったから。兄の伊久磨が社長に就任した「ナイスコーポレーション」の姿勢や取り組みに感じ入るものがあったことも大きなことです。兄であり、社長である人間関係に関して、相互に落とし込めてやれているのではないかと思います。
樋之津:私は東京のOEMアパレル企業で生産管理の仕事をしていました。あるとき、もう少し家族に会える環境で仕事をしたいと思い立ち、地元・岡山で仕事を探したのがきっかけです。もともと生産管理の仕事は、地元に帰っても続けられるかもしれない、と長期的な視点で選びました。国内外の多様なブランドの生産を行なっている会社ということに可能性を感じました。これまでに自分がやってきた経験を活かせそう、と思い入社しましたが活かせることは採寸くらいで(笑)。ウチの会社は工場が併設しているため、想像していたよりももっと現場に近い仕事が多いのが特徴で、そこがO E Mアパレル企業との大きな違いです。新たなチャレンジが多く、とても勉強になっています。

―仕事の役割や具体的な業務内容は?
井筒:お客様に対して、どんな服を作りたいのかを綿密に伺うことからスタートします。お客様が作りたい服は、イメージが先行していて現実的な裏取りがなされていないこともあるので、僕らがイメージと現実の境界を埋める作業をします。その後に、内容に合わせて生地素材の提案をします。近隣の生地メーカーと協業して一緒にやっていますが、素材の決定には時間がかかるもの。「昨日、何百メートルあると思っていた生地が今日はない」ということがザラにあるんです。そうしたことを念頭に置き、生地メーカーと密にコミュニケーションを取ったり、新たな生地を開発したりすることは大切な仕事です。そして、作業をしてもらう工場の労働力の確保もまた、生命線。工場も先方の業務の進行具合で状況が変わってしまうことも多々あるので、そうした中で、安定して仕事を継続できる関係性を構築することも大切なことです。状況の変化によって、ときとしてピンチが訪れることもあります。そうしたときに無理を聞いてもらえる間柄になれるか。顔と顔を突き合わせた深いコミュニケーションが鍵になります。

樋之津:お客様や工場との窓口は基本的に井筒さんの担当。私はファーストサンプルが仕上がってから依頼書や仕様書の内容と異なるところがないか検品をして出荷します。井筒さんが言うように、仕事を依頼している工場の方と円滑なコミュニケーションがあってこそ、きちんとした製品が仕上がります。つまり、日々の業務内容の多くを占めているのは、協業する人たちとのコミュニケーションということ。型にハマったコミュニケーションではなくて、十人十色、別々の相手に合わせたコミュニケーションができるかどうか。そうしたことは「ナイスコーポレーション」の生産管理として、とても重要なことだと思います。
―大切にしている仕事の流儀は?
井筒:「人の役に立つ」ということは第一前提にあります。仕事はお客さんや工場とのコミュニケーションがメインでカタチとして見えづらいものがありますが、そういうことにどれだけスポットライトを浴びせられるかが大事。相手が何を求めていて、どういうふうに話をしたら気持ちよく進められるか。そうしたことを常に考えながら進めていく仕事なので。それはどんな仕事に就いても大切なことだと僕は思っています。

樋之津:全員に協力してもらえるように報告と共有を全方向にすることを心がけています。「あの件、どうなっている?」と質問させてしまのは良くないと思うので。あとは、納期までにきちんと製品を仕上げることがマストなのでスケジュールを逆算し、関わってもらう人たちに共有することを大切にしています。
―生産管理に向いている資質や必要な資質を教えてください。
井筒:生産管理の仕事には柔軟な対応が求められます。起きた現象に対して自分がどう動くか。前向きなアクションができる人が向いていると思います。例えば、縫い場の人たちの現場はある程度仕上がりの納期に関してスケジュールを組んでいるので突発的な仕事の依頼が発生することは少ないのですが、それに比べると生産管理の仕事は、急に予定が変わることが多いです。やっぱり、ハプニングが起きるときは起きるので、それに対して臨機応変にアプローチできるかにかかっています。現実に対峙して前向きに解決する能力も必要だし、最悪の事態を想定して危機管理することも大切。どんな状況であっても、前向きに捉えられるような心持ちが大事です。

― 一緒に働く人にどんなことを求めていますか?
井筒:月並みですけれども、コミュニケーションと挨拶ができる人。あとは、飲みにいけるようなフランクな人がいてくれると嬉しいですね(笑)。
樋之津:社内外に関わらず、人とのコミュニケーションを楽しめる人がいいと思います。気持ちよく仕事をやってもらえるよう上手な伝え方について自分自身で思案できる人は向いていると思います。仕事の内容だけではなく、雑談を楽しめる社交的な資質も必要だと思います。
―「ナイスコーポーレーション」としての独自性や誇りに思っていることについて教えてください。
井筒:社長が45歳なので新しいことへの挑戦を厭わないところです。B Corp認証も新たな取り組みですし、「できる、できない」を過去の事例に基づいて判断するのではなく、問題に対してどうやったら解決できるのか? を考える社風なので、なんとかしてカタチにすることは常に考えています。例えば、僕らの代でどうしても解決が難しいことは先代に相談し、昔やっていた技術を掘り起こす「温故知新」的なアプローチをすることも。新旧一体となり、最適な答えを導き出し、柔軟にものづくりをしているところは、ウチの会社ならではだと思います。
樋之津:技術面について挙げると“B品率の低さ”は誇りに思っています。実際、B品は出るのですが、それを直せる技術や知識を井筒さんはじめ、縫い場のスタッフが持っています。その結果、A品になってちゃんと出荷できるという。社内で改善ができない生地や加工があってもすぐに近隣工場に連絡を取り、直してもらえる連携体制が整っています。それは日々、コミュニケーションを大切にしている成果だと思っています。


―「ナイスコーポーレーション」に感じている可能性は?
井筒:デザインとして手間暇がかかるものに対しての対応力、咀嚼力にも自信があります。お客様としっかり話合い、難易度が高いものをどう落とし込むのかを精査し、作業をするスタッフがきちんと取り組めるような工程を編み出します。これまでの経験値から生み出される提案力は、伸びしろがあると思っています。
樋之津:「ナイスコーポレーション」を志望した動機と重なりますが、国内外のお客様の生産をしているので色々な学びが多いところです。加えて、今年の秋に社屋を移転することも新たな展開です。閉園した幼稚園をリノベーションした建物というのがユニークで。とても広い敷地にあるので、そうした環境がどのように仕事に作用するかも楽しみですね。
―「ナイスコーポーレーション」で働き始めて、ライフスタイルに変化が訪れたことは。
井筒:僕には小さな子どもがいるのですが、ウチの会社自体、子どもが過ごしやすい環境にあると思います。そういうところがいいな、と思います。今年の秋に移転する社屋は静かな土地にあるので、皆のライフスタイルや意識に変化が訪れそうでとても楽しみにしています。児島という土地自体、アットホームなムードがあって、隣のおじいちゃんが急に挨拶に来るとか、収穫したみかんをお裾分けしてもらえることがあったりして。日常でそうした何気ないコミュニケーションがあることを嬉しく思います。

樋之津:東京で働いて生活していたときは、ものや情報が溢れ過ぎていて自分が本当に欲しいものに出会うことが難しく感じる部分がありました。児島というローカルな町で再び暮らすようになり、情報があまり無い分、自分で調べて足を運んで、何かを見に行ったり、探しにいったりする機会は増えたように思います。そういった小さな積み重ねを楽しんでいる自分がいて、地元にもまだまだ新しい発見がありそうな気がしています。これからいろいろと掘り下げていきたいと思っています。
文:矢島聖佳
写真:Shin Hamada